こんにちは。フミです。
おひとりさまの私にとって、最大の心配事は「孤独死」です。
腐乱死体で発見され、楽しく快適に暮らしたこの家が事故物件になるのは絶対にいやです。
何をどうしたらよいのか、漠然とした不安を抱えています。
最近、ちょっと面白い本を見つけました。
「死に方がわからない」というエッセイです。
死ぬ前、死んだあとのことを考える良いきっかけになったのでご紹介しますね。
「死に方がわからない」門賀未央子著
まずは本の概要をご紹介しますね。
著者の門賀未央子さんは1971年生まれ。
独身、子なし、一人っ子。一人暮らし。フリーランスのライターさんです。
3親等以内の親戚はみんな年上。
平均寿命まで生きると仮定した場合、自分の死に際の面倒を見てくれる人がいない。
ボッチの著者が「いかに綺麗に人生を閉じるか」を考えたエッセイです。
実用書ではないので、読んだら何かが解決するような本ではありません。
エッセイなので読みやすいし、文章が面白いです。
著者の門賀さんは同世代。
「死に際の面倒を見てくれる人がいない」という状況もほぼ私と同じ。
「死んだあと腐りたくない」という希望も一緒。
全てに共感したわけではないけど、とても参考になりました。
死因と死況
「死況」とは著者の門賀さんの造語。「死ぬ時の状況」のことです。
死因と死況はわけて考える必要があるとのこと。
本の中では
例えば、死因が凍死だったとして、死んだ時の状況が自室なのか、自宅近くの道路なのか、
門賀未央子著「死に方がわからない」より
冬山なのかでは取るべき対策が大きく異なる
とあります。
確かに。どんな死に方をしたいか、したくないかを明確にしないと
死ぬ準備ができないということですよね。
こんな死因はイヤだ
私は「痛い」「苦しい」が避けられれば、そんなに死因にこだわりはないかなぁ。
病気の知識がないので思いつかないだけかもしれませんが。
著者の門賀さんは避けたい死因の第一位に「餓死」をあげていました。
確かに餓死はかなり苦しそうなので私も避けたい。
私がイヤな死因(餓死)を回避するのには以下の3つが必要かなと思いました。
・最低限の食費は確保できる経済状況を維持すること
・経済的に困窮したら迷わず生活保護を申請する
・病気などで自力で食事ができない状況になったら介護サービスを利用する(←調べる)
こんな死況はイヤだ
著者の門賀さんは「独りで逝く死況=孤独死を怖がっているわけではない」と言っています。
確かに、、これも大いに共感しました。
誰かに看取ってほしいわけではなく、腐る前に発見してほしいだけ。
だから死況という意味では、特にこだわりがないのかも。
もちろん、死ぬリスクが高いような危険な行動は避けるべきですが
孤独に死んでも見つけてもらえる体制を作っておけば良いということですね。
異変があったら気づいてもらえる体制づくり
理想的な死に方として「ピンピンコロリ」をあげる人が多いと思います。
でもこれって死んだ後にすぐに見つけてもらう体制をしっかり作っておかないと
腐乱死体になる可能性が高いですよね。
突然死って高齢者に限ったことではないですね。
「くも膜下出血」とか「心筋梗塞」とかで、若い人が突然亡くなった話を聞くことあります。
著者の門賀さんはフリーランスのライター。
もし突然死んでしまったら異変に気づいてくれる人はほぼゼロ。
ということで3つの対策を考えていました。
1) 友達に毎日LINEスタンプを送る。丸一日連絡が途絶えたら通報してもらう。
2) 新聞を取る。郵便受けに新聞がたまっていたら誰かが気づいてくれるかもしれない。
3) NPO法人の見守りサービスに登録。
この対策は私にはどうなのか考えてみました。
友達に毎日LINEスタンプを送る
やりかたとしては以下の通りです。
生存確認として毎日友達にLINEスタンプを送る。
もしスタンプが送られてこなかったら、電話するとかして連絡をとってもらう。
丸一日連絡がつかなかったら、警察とかに通報してもらう。
これは、私にはちょっと無理。
毎日忘れずにLINEを送るのがちょっと面倒。
送るのを忘れていただけで、友達に必要以上の心配をかけてしまうのも気が引ける。
逆に自分が頼まれた場合を想像してみました。
人の命を預かるようなものなので、心理的な負担が大きい。
毎日、スタンプが送られてくるまで、何かあったんじゃないかとソワソワしそう。
スタンプが送られてこなくて、心配して電話したら「ごめーん。忘れてた~。」
とか言われたら、腹を立ててしまいそう。
「生きててよかった~。心配したよ~。」と言ってあげられる心の広さが私には無い。。。
そして、友達を一人失う。
そう考えると安易に頼める人はいないなぁ。という感じです。
新聞を取る
ウチのマンションは、郵便受けに新聞がたまっていたら
「共有スペースが散らかっている」と住人の誰かが管理会社にクレームしそうです。
常駐ではないけど管理人さんもいるし、家の鍵を警備会社に預けているので有効かも。
私はすでに新聞を取っているので新たに契約する必要もないし、いいですね。
NPO法人の見守りサービス
やりかたとしては、友達にLINEスタンプを送るのと同じようです。
NPO法人のサービスなので、友人の好意を利用するよりも気持ち的に楽ですね。
ただ、緊急連絡先として誰かを登録する必要があり、相手の同意がいるとのこと。
これを誰にするかがちょっと私には難問です。
会社員の間は職場頼み
今現在、私は勤怠連絡をまじめにしている会社員です。
もし連絡もせずに出社しなかったら、職場の誰かが「おかしい」と気が付いてくれるハズ。
当面は会社頼みでいこうと思います。
退職するまでにNPO法人の「見守りサービス」を調べておこうかな。
将来的には独居老人が増えるだろうし
行政含め、孤独死を回避するサービスが充実していくことを期待したいですね。
どこで死ぬか
孤独死しないために、元気なうちに施設に入らなければならないと思っていました。
ちゃんと調べたわけではないけど、施設って住まいというよりも病院の個室みたいなイメージ。
あと集団生活というのもちょっとイヤ。
介護するスタッフの方たちの効率を考えると仕方ないかもしれませんが。
本音を言うと、できるだけ自宅で暮らしたい。
そんなときに読んだ本。上野千鶴子先生の「在宅ひとり死のすすめ」です。
ちょっと難しくて読みにくいのですが、
ただ、行政サービスを利用しておひとりさまでも自宅で死ぬことが可能ということは理解できました。
施設に入るにしても、在宅で介護サービスを利用するにしても
自分で見学に行ったり判断できるうちに調べておいたほうがよいですね。
必要になってから探したのでは希望のサービスを利用できるとは限らないし
判断力が低下した状態では質の悪い業者や施設を選んでしまうかもしれない。
尊厳死について
「尊厳死」とは生命維持装置などによる人為的な延命治療を行わずに
人として尊厳をもったまま死を迎えることです。
余命宣告をされたら、私はできる限りの治療を望むかどうか今はわかりません。
その時にじっくり考えたいと思います。
でももし、自分で判断ができない状態だったら「家族」が決めることになります。
家族がいないであろう私はどうなるのかしら。
病院は基本的に治療をする場所なので、明確な意思表示がない場合は治療を続けるでしょう。
回復の見込みがないなら、無駄な治療費を払いたくないし
治療にかかわる医療スタッフも本当に必要なところに回してもらった方がよいと思います。
ちなみに今は父親が健在です。
もし、父が元気なうちに私が脳死のような状態になったら
年老いた父ひとりに判断させるのは酷だろうなと思います。
ということで、私としては「延命不要」の意思を示しておいた方がよいと思いました。
尊厳死をするにはどうしたらいいのか
「尊厳死をしたい」と思っても、その意思が伝わらければ希望はかないませんよね。
突然倒れたり、事故にあって自分で意思表示ができない場合、どのように意思を伝えるか
体制をつくる必要があります。
著者の門賀さんは家の中と外を想定して以下の対策を考えていました。
1) リビングウィルを「緊急医療情報」として冷蔵庫に保管
2) 「臓器提供意思カード」を携帯
3) 住んでいる自治体の「終活サービス」に登録
リビングウィルを「緊急医療情報」として冷蔵庫に保管
リビングウィル(Living will)とは回復の見込みがなくなったときに延命治療するかなど、
死期が迫ったときにどのような対応を希望するかを判断能力が十分なうちに
家族や主治医などに書き残しておく文章のことです。
フォーマットはネットなどで簡単に手に入れられるそうです。
「日本尊厳死協会」では有料でリビングウィルを登録するサービスがありますが
登録の際に証明者や確認者など第三者のサインが必要だそうです。
門賀さんは「自分の命に係わる決断に他人を巻き込むことなどに違和感を感じる」ということで
尊厳死協会へ登録はしていませんでした。
家で倒れた時に救急隊などに見つけてもらいやすい場所。ということで
「緊急医療情報」といっしょに冷蔵庫に保管することにしたそうです。
「緊急医療情報」とは名前、緊急連絡先、保険証の写し、かかりつけ医、
おくすり手帳の写し、アレルギー情報などを書いて入れておくもののようです。
本を読んでも私には「なぜ冷蔵庫?」と理解できなかったのですが、
調べてみるとこんなものが売っているんですね。
マグネットで「緊急医療情報キット」がある場所を貼れるようになっていて
冷蔵庫と玄関扉に貼っておくと救急隊が見つけやすいとのことです。
「臓器提供意思カード」を携帯
「臓器提供意思カード」は簡単で有効な対策だと思いました。
臓器提供=延命措置不要ということですからね。
免許証の裏、マイナンバーカードの下に意思表示欄がありました。
小さくて老眼には見えなかったので気が付きませんでした。
ネットでも簡単に登録してカードを発行してくれるみたいです。
日本臓器移植ネットワークはこちら
住んでいる自治体の「終活サービス」に登録
門賀さんの住んでいる神奈川県横須賀市は「終活サービス」があったそうです。
事前に関連情報を登録することによって
万が一の場合、病院、消防、警察、福祉事務所や本人が指定した人に開示して
本人の意思を実現する支援をしてくれるそうです。
残念ながら私の住んでいる自治体にはこのようなサービスはまだありませんでした。
日本は高齢化が問題になっていますし、これから一人暮らしの高齢者も増えるでしょう。
遺体の引き取り手がないと自治体が荼毘に付すことが法律できまっているそうです。
最近このような「無縁遺骨」が増えており、
自治体で身寄りのない高齢者を支援する体制を強化を国が求めている
という記事を新聞で読みました。
今はなくても今後、住んでいる自治体に終活サービスができるかもしれないし
終活サービスを提供しているNPO法人はいくつかあるようなので調べようと思います。
まとめ
門賀未央子さんの著書「死に方がわからない」を読んで、
腐乱死体にならないために準備が必要だと思ったことのまとめです。
・死ぬだけでも人とのつながりが必要
・避けたい「死因」「死況」を考えて必要な準備をしておく
・死期が迫ったときにどのような対応を希望するか判断能力が十分なうちに書き残しておく
・自治体やNPO法人の終活サービスを調べる
・元気で判断能力が十分なうちに調べておくことが必要
まずはエンディングノートを書こうと思います。
「見守りサービス」や「終活サービス」はこれから調べて、進捗があったら日記で公開しますね。
死後のことについて考えたこちらの記事もよかったら見てください。
「死に方がわからない」も興味があったら読んでみてください。
コメント